「ポークジンジャー」を作って食べました
厚い豚肉や牛肉をソテーしたり、ステーキにしたりすることは最近ほどんどありません。。。
理由は単純で、家庭のガスやフライパンではいまひとつうまく焼けないから。
特にソテーやステーキなどは、鉄のフライパンが本来は美味しく焼けます。
肉の表面を一気に香ばしく焼いてから火力を落とし、あとはじっくりと火を通すという具合です。
その「肉の表面を一気に・・・」に適しているのが、フライパンの表面を高温にすることができる鉄のフライパンと言うわけです。
ちなみに、テフロンなどの加工をしてあるフライパンは、強火で使っていけないってご存じでしょうか?
これは取説なんかにも書いてあり、表面のこびりつき加工防止膜を壊してしまうという理由らしい。。。
まあ、調べてはいないけど、強火で使えるものもあるかもしれませんが。。。
私もいち時期、鉄のフライパンにこだわっていたときもありましたが、いまはほどんど使用しません。
こちらの理由も簡単で、料理や手入れも含めて加工をしてあるフライパンの方が圧倒的に楽だからです。
そういわれると、いま料理番組でも多くの料理研究家の方は加工してあるフライパンを普通に使っていますね。
でも、少し前は、結構鉄のフライパンを使っている方もいました。
まあ、見栄の部分やプライドの部分も多少あったのかと邪推しますが。。。
ただ、これは料理研究家の方々であり、現役の料理人の方である場合は、TVなどでも鉄のフライパンをしっかり使っているケースもあります。
今日ご紹介する「ポークジンジャー」の料理レシピを紹介してくれた榊原大輔さんは現役の料理人。
おかずのクッキングのTV放送でも、「私は鉄のフライパンを使わせていただきますので、油を少し入れますが。。。」と言って使っていたのが、いかにも現役っぽくて、逆に私は良いなって思いました。
と言うことで、今日は肉の焼き方がものすごく参考になる「ポークジンジャー」のレシピ。
「おかずのクッキング・2021年・8・9月号から東京・京橋の洋食店「レストランサカキ」の4代目榊原大輔さんのレシピで作り、いただきました。
ポークジンジャー・作ってみました
メイン食材は豚肉。
レシピでは「ロース肉のとんかつ用」とあり、さらに厚さが1.5cmくらいと。。。
TVではもう少し厚く、約2cmくらいのいい肉を使っていたように見えましたが。。。
でも、近くのスーパーでは売っていなかったのでやや薄目の一般庶民的な肉にしました。
厚さは売っているものでよいと思いますが、肉の部位についてはレシピ通りにロースが良いと思います。
ロースは適度に油が入っているので柔らかし、火を入れると甘味を引き出せる。。。ということです。
また、ジンジャーソースの材料は、玉ねぎ、しょうが、にんにく、赤唐辛子。調味料はごく一般的な調味料で作れます。
ちなみにこのジンジャーソースは混ぜるだけなのでとても手軽。
そしてとても美味しい。
この料理に限らずいろいろに使えそうなソースです。
それでは、レシピを進めます。。。
まず豚肉は常温に戻しておきます。
そして筋切りをします。
また、この段階でジンジャーソースを作っておきます。
ジンジャーソースは、玉ねぎをおろし、しょうがをおろし、にんにくをおろします。
さらに赤唐辛子を小口切りにして一緒にボウルに入れます。
後は、しょうゆ、酒、みりん、砂糖を入れて、共に混ぜ合わせるだけ。。。
まあ、いたって簡単、でも驚くほど美味しい。。。
ちなみに、肉料理なので、付け合わせも準備しておきます。
もちろん家庭料理なので、なくても良いとは思いますが。。。
今回私は、ブロッコリーを茹でて、さらにマッシュポテトを作りました。
マッシュポテトも、榊原さんのレシピを参考にして、じゃがいもを茹でてマッシュしてから、牛乳とバターを入れて仕上げました。
と言うことで、ここまで準備してから、肉を焼く工程に進みます。
豚肉の片面に軽く塩をふり、全体に小麦粉をまぶす。。。と、ここで料理をよくする方であれば「こしょうは?」と思うかと。
榊原さん曰く「こしょうで臭み消しが必要な肉はそうそうないし、焼いてこしょうが焦げると肉本来の味が邪魔される。。。」
個人的には、こしょうのスパイシーさが大好きですが、今回はレシピに従って作ることにしました。
さて、ここから焼きです。
フライパンを強めの中火にして熱し、豚肉の脂身を下に立てて焼き色が付くまで焼く。
これは、菜箸では難しいので、トングが扱いやすいと思います。
とは言っても、トングでも少々扱いにくく、焼きにくいので、この部分がこの料理の一番の難所。。。とも言えるかと。
ここでしっかりと脂身を焼くことで、余計な油が落ち、さらに脂の甘味が際立ち、そして、香ばしく美味しくなるというわけだ。
次に、豚肉を横に倒して中火にし、豚肉から出た脂で焼き色が付くまで焼きます。
ここは約2分間とレシピにあったので、私の場合は、ガスコンロのタイマーを使って2分焼きました。
ここも肝で、つい生焼けを危惧して長めに焼いてしまうことがままあるかと。
余計に焼けば焼くほど、肉は硬く仕上がるわけで、そのちょうどよいタイミングが多分2分ということなんだろうと思う。
次に、裏返して同じ時間、つまり2分間焼く。
ここで、脂が多いようであればキッチンペーパーでふき取ります。
後で、ジンジャーソースを絡めて火を入れるので、やはりレシピ通りキッチリと2分間で焼き色をつけるわけです。
榊原さん曰く「火を通しすぎると、ソースを入れたときひが入りすぎ、肉が硬くなる、逆に焼きが足りないと、肉とソースが絡みにくく、一体感がでない。。。」
本当はこの部分、肉を見ながら、音を聞きながら、香りを感じながら経験値と直感で仕上げるのだと思う。
でも、それではレシピとして完結しないので、その感覚をあえてレシピとして手順化するのであれば「2分間」ということなんだろうと理解しました。
この経験値と直感が、榊原さんと我々一般ピープルの差、つまりプロと素人の差、になるのだろうなあ。。。などと感じつつ次の工程へ。。。
フライパンにレードル一杯分のジンジャーソースを入れて煮立て、フタをして弱火にし、片面を焼いたのと同じ時間、つまり2分間蒸し焼きにします。
ここで蒸し焼きにすることで、しっかりと優しく肉に火が入るというわけです。
ちなみに煮詰まりすぎるようだったら水を足すとあります。
フタがガラスだったらよいけど、私の場合は、ガラスではなくて、中が見えないタイプなので、2分間といえども、汁気が少なくなって焦げないように最新の注意を払いました。
そして、最後の仕上げは、火を止めてフタをしたまま、片面を焼いたのと同じ時間、つまりここでも2分間、余熱で火を通します。
後は、付け合わせを盛り付け、豚肉を盛り付け、フライパンに残ったソースをかけて出来上がりです。
ポークジンジャー・食べてみました
ナイフは不要。
がっつり噛り付いても問題ないくらい、驚くほど柔らかい。
そして、豚肉の脂の甘味が広がり
それを追従するように、ジンジャーソースの甘味と塩気が広がる。
肉を噛むごとに、肉の旨味と
ジンジャーソースの美味しさが絡み合う感じ。
残り香は、しょうがの香りとにんにくの風味。
そしてほのかに唐辛子の辛味。
その残り香が消えないうちに、次のひと口を
まるで肉にコントロールされているかのように
無意識に箸を進めてしまう。。。
そんな自分に、
思わず笑みを浮かべてしまう。。。
肉の焼き方をまとめると・・・
まず脂身を焼くことで、余計な脂を落とし、さらに脂身を香ばしくして甘味を際立たせる。。。
また、脂身を焼くだけではなくて、肉自体に脂身を通して伝わる熱を入れ柔らかくするという意味もあるそうだ。
柔らかさという意味のおいてはこちらも重要な要素。
これは低温でじわじわ焼くよりも時間がかからない、ある意味時短的な方法ということのようです。
そのあと、短い時間で表面を香ばしく焼きあげ、仕上げにソースを絡めて蒸し焼きにするので、驚くほど柔らかく仕上がるというわけです。
何気に焼いていると、つい焼き過ぎて、特に豚肉は結構歯ごたえが強くなってしまうことが多々あります。
それに比べると、シンプルな手順でしかも驚くほど柔らかく仕上がるレシピです。
豚肉の厚みが1.5cmくらいだと、すべての焼きの工程が2分間というのもわかりやすいです。
また、ジンジャーソースも、玉ねぎの甘味としょうが、にんにくの風味が豚肉に限らず、他の種類の肉料理にも合いそうです。
肉に限らず、ぶりなどの魚や冷ややっこなどでも試してみたい抜群の美味しさのソースです。
このレシピは、最近作った参考レシピの中でも秀逸なレシピです。ヘビーローテーションしそう。。。
と言うことで・・・
料理、特に味はいたってパーソナルなもの。
自分が美味しいと感じるものが、値段や食材に関係なく一番美味しい。。。
ごちそうさまでした。
ポークジンジャー。。。詳しい分量やレシピ詳細はこちら
参考レシピ「おかずのクッキング2021年8・9月号・榊原大輔さんのポークジンジャー」
★座和 庵(ざわ・あん)
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